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会計を済ませてさっさと店を出る。何気に硝子越しに店内を見ると、銀髪オヤジの背中が見えた。
銀さん…かぁ…。やっぱ、ちょっと格好良かったな…。でも、あたしオヤジ好みじゃないんだけどなぁ……ん?ってか、何であたし真剣に考え込んでんの?!
ヤバくない?
意味不明にムカついてきた。
ふと、貰った名刺を思い出す。
あたしは、バッグからそれを取り出して見る。
坂田探偵事務所…所長…坂田銀時…思わず笑っちゃった。何時の時代の名前?……でも、探偵なんて、あの人らしいな……。あたしは、名刺をバッグに戻し、家に向かって歩き出した。
結局、あたしは電話出来ずにいた。そのかわりって訳じゃないけど、何故か、あのファミレスへ行く事が多くなっていた。
そんなある日、学校帰りに又ファミレスに寄った。
紅茶を注文して、携帯を開く。
友達からのメールに返信しようと、文字を打ち出したその時だった。
「やっと逢えたな。」
聞き覚えのある声が降ってきた。
そこには、前と同じヨレヨレスーツで、不機嫌そうにポケットに手を突っ込みながら、坂田銀時が立っていた。
そして、おもむろに向かい側の席に座る。
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