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「……あ、涼子ちゃん。生徒会のお仕事は良いの?」
朱色のジャージを着た女の子が、私に声を掛けてきた。太陽の陽を反射してキラキラと光る銀色をした髪の毛に、陶磁器みたいに透き通った白い肌の子は、箕島翠子と言う。
この子には、最大の特徴が二つある。
一つは頭から伸びる二本のアホ毛。まるで昆虫の触覚みたいに見える。
二つ目は、その瞳にあった。色が赤い。まるで宝石のルビーのように。最初見たときは驚いたけど、慣れてみるとチャームポイントとも言えるほど、可愛かったりする。
「部長がこっちに行っても良いって。それよりも、ちょっと田植えのスピードが速くないかな?」
「……それは、あれ」
翠子は田んぼに向かって、指を差した。
指した先を見た私は、急に頭が痛くなるのを必死に押さえていた。
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