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だけど指示の殆どは、生徒会長が出しているので、私はお茶汲みだけをしていた。
「涼子ちゃん、自分のクラスの所に行ってきても良いわよ。ここだと暇だし、つまらないでしょ?」
「良いんですか?」
「もちろんよ。ここの仕事は私一人でも、十分に回るしね。ただ、お昼の炊飯とかはお願いね。そっち系だけは苦手だから」
綺麗な長い髪を指で押さえながら、にこやかに私に言ってくれる。女性として、理想系の姿がそこにあった。
何度もお礼を言うと、私はテントを飛び出して、自分のクラスの田んぼに向かう。
田んぼに着くと、私はちょっと驚いてしまった。何でかと言うと――。
田植えが九割ほど、終わっていた。
他のクラスはまだ三割ほどなのに、このスピードはオカルトと言える。
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