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とんでもない光景が、目の前で繰り広げられていたからだ。
「みーちゃん……あれって、もしかして」
「……うん。お姉ちゃんと、優花お姉ちゃんが競争してるの。どっちが多く苗を植えられるかって」
く、くだらない。本当に、くだらない。
実際に早く終わらせる事は良いことだが、あの二人がしていることは単なる迷惑行為にしかなってない。
「こらぁ! そこの二人! 田植えを止めてこっちに来なさい!」
お腹に力を入れて、思いっきり叫ぶ。自分でもこんなに大声が出せることに、驚いてしまった。
私の声が聞こえたのか、二人はビクッとして動きを止める。
「さっさとする! あと十秒で来ないと、本当に怒るわよ!」
「はい」と、返事の声を揃えながら、二人は急いで私の前にやって来た。
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