9人が本棚に入れています
本棚に追加
コイツは山崎 武
私の幼なじみで運動音痴
あれ? 松葉杖?
「脚どうした?骨折った?」
「あぁ」
「…………まじ?」
太鼓が鳴り、子供たちがキャーキャー騒ぐ祭りの中心部からは少し離れた薄暗いところで私たちは偶然鉢合わせた
タケシがココにいる理由は知らないけど、私たちは座って話す事にした
「藤咲ってまだ弓道してんの?」
「パクッ……まぁね」
「すげぇな」
「そう言う君は相変わらず運動系はダメそうだね」
「う…」
「ねぇ、今何部なの?」
「…………」
「また美術部?」
「…野球部」
「マジで!?」
即答してしまった
「あんた中学まで球技なんてやったことなかったでしょーに」
「うるさいなぁ…」
タケシは顔を少し赤らめ恥ずかしそうに話してくれた
「ウチらの高校の野球部って上手い人もいるけど、ハッキリ言えば弱いじゃん?」
「まぁ…ねぇ」
「だから俺、運動音痴だけど、アソコなら少しずつ治せると思うんだ」
「ふ~ん。なるほどねぇ…パクッ」
「俺だってちょっと練習すりゃ、お前みたいに………」
「…え?」
その時、私たちの斜め上に赤い風船が飛んでいき、それを小さな男の子が追いかけて行った
目の前には川が流れていた
最初のコメントを投稿しよう!