File ~ 凛 ~

2/15
前へ
/41ページ
次へ
都内某所のとあるファミレス 込み時の夏のお昼に、一人の少女の明るい声が響いた 「いらっしゃいませ~」 白と黒のオーソドックスの制服に、少し長めの茶色の髪をキレイに束ねたポニーテール 看板娘と言う言葉がピッタリのその明るい少女 高校三年生 池村 凛 は半年ほど前からこのファミレスでバイトをしている 「お客様2名ご案内でーす」 彼女は、特に欲しい物は無いが母親にバイトをしろと言われたので、とりあえずココで働いている 店内を見渡すと厨房が見える 暑そうな調理音と最低限の仕事しかしない換気扇、その換気扇の音を遮る店員の声で溢れ返っている 「料理出来なくて良かったぁ。あんな所に30分と居れないよ」 凛はそんな事を考えながらお客からオーダーを取った この職場は時給700円とさほど稼げる訳では無い しかし部活ももうすぐ終わり どうせ就職や進学をするつもりなんて無いんだし、今の内にお金を貯めておこう と言う考えの元、バイトをしていた
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加