魔王の息子と凡人

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「オイ、辛気臭い・・・以下略人間、俺様は今、暇でしかたない。だから俺様に消されろ。」 はい? 傷心している俺の耳を理解不能な言葉が通り過ぎる。 つまり、暇つぶしのために死ねと? いやいやいや。 いくら最近の若者が「ついカッとなって」とかいう理由で暴力に走るようになってきたとはいえ、暇だから死んでくれはないだろ・・・ ブツブツブツブツ ???何かはわからないが、生意気なクソガキがなにか小声でなにかを言っている。 近寄れる雰囲気じゃないので、耳をすませて聞くことにしよう。 「・・・ヴァン・キルリア・クラウンの名の下に命じる。契約に則り、時と空間の狭間にて万物全て無に帰れ!!」 なんか詠唱みたいだな。 でも、今まで聞いたことのないものだ。 属性が判断できない・・・まぁいっか。 魔法の細かいことに関しては後日話すとしよう。 子どもの魔力ならどうせたいした魔法ではないはず。 数秒後に俺は後悔することになる。 なぜ 俺は少年が詠唱し終える前に攻撃しなかったのだろうかと。 『クレイジー・ロ・・・アレ?』 少年が術名を言おうとして止まる。 というか、術名も言わなきゃってことは上級魔法なのか。 「術名忘れた・・・」 ・・・・・・え゛っ 「ふざけんなよガキ!なにシリアスな雰囲気出しといてぶち壊してんだよ!『数秒後に後悔することになる』とかいって読者にカッコつけちゃったんだぞ!!」 「誰が喋っていいといった。腐れドカスが。それに読者がどうとか訳わからんことをぬかすな。」 他人を慈しむ心は大切にしようね? またもや俺のガラスのハートが砕け散る。 「なにさめざめと泣いてるんだ中2病エロ魔神。・・・・あっ思い出した。『クレイジー・ロストゾーン』」 なんか中2病とエロ魔神が追加されたなぁ・・・って、今サラッと術名言ったよね!? まだシリアスな感じに戻してないよ!? うわ、なにこのグダグダ感! でも、そこに痺れる憧れry・・・ゴホゴホ 何でもないっす。
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