プロローグ

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とりあえず、音を発てないようにそーっと逃げてみる。 でもさ、こういう場合って決まって足を降ろしたところに木の枝があって・・・ バキィ!! ほらな? あり得ないぐらい音発てて折れるんだよ。 それを引き金に、ウルフが襲いかかってくる。 「やるっきゃないか・・・『荒ぶる水竜、その怒りの矛先を示せ!』」 叫びながら地面に手をつけるとアラ不思議。 地面から勢いよく水が噴き出したじゃありませんか。 それは見事にウルフどもに命中!・・・したんだけれども、どうも威力が弱かったらしく、すぐにまた向かってきた。 どうしようか・・・ なんか今の見た限り威力をあげても効かなそうだよな…なんか、三匹一斉に倒す方法は、、、あ! 「閃いたぜ!って危なっ!閃いてるときには攻撃しないのが敵のマナーじゃねぇの!?」 緩むことのない攻撃。 あの爪と牙痛いんだろうなぁ。 なんか余裕がないので思いついたことを実行する。 「これはさっきよりちっとばかし効くぜ?『水神の槍、貫くは世界の心!』」 さっきのやつの強化版。間欠泉を超える勢いで水が噴き出し、ウルフたちは空中に打ち明けられる。 「まだまだいくぜ!『駆け抜けろ閃光!瞬く電光の刃!』」 青く晴れ渡っていた空からウルフにむかって一筋の雷が落ちる。 水に電気、真似しないでね? 「ラスト!『燃え盛る烈火!吐き出すは、火竜の吐息!』」 手から火炎弾のようなものを五発程度ぶちかます。 さぁ、ここで問題です。大量の水(H2O)を電気分解したものに、炎をぶちあてるとどうなるでしょうか? うん、そうだね。 水素爆発だね。 ドゴォォォン!!!! 量が多すぎたせいか、予想以上に爆発が大きく、俺も少し爆発を喰らっちまったが、大丈夫!左手が炭になった程度さっ。 ・・・・・・ ・・・・ ・・・ 今のボケは見なかったことにしてほしい。 ともあれ、一応ウルフは倒せたはずだ。 確認のため林の方を見る。 まぶたでパチパチと何度もシャッターをきる。 硬直。 まぁ、予想はできたけどさ。 ウルフはいなかった。 うん。 ただ、林が、燃え盛っていた。 その後、俺は四時間ほど消火作業に明け暮れることとなった。
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