加速に足並み

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顔が近付いてくる。 私は固まって動けない。 心臓の鼓動が体を揺らしているように感じた。 唇が重なると思えば、 矢内大地の顔は反れて、 「…されると思った?」 耳元でつぶやかれ、ビクッと体が反応した。 「…お…もってません!」 すると顔が目の前に来て、眉間にシワがよって笑っている。 胸が苦しい。 (好きじゃない、好きじゃない好きじゃない) と、言い聞かせるが、 「ん…」 唇に柔らかい感触が、 体には電気が走った。 「…付き合ってほしい」 今度は前とは違う。 強引じゃない。 彼の目は私を捕らえて離さない。 私はずっと抵抗して矢内大地の胸元を押していたが、 その力を緩めた。 すると、 また男はまた口角をあげた。 が、 それは不敵な笑顔に…… 「え゛?」 首もとに また唇が当たったなと思いきや ちゅうぅぅ~ぱっ!!! .
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