夕闇

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ドキリと心臓がはねた。 真紀の顔は、夕闇に包まれて、よくわからない。 「待ち合わせにしないか?」 「え…?」 思わず足を止めた。 「待ち合わせ。俺、しばらくこの時間に帰ることになりそうだから。……いいか?」 顔を見なくても優しく笑んでいる声音だった。 断られずにすんだと安心して、ほっとした。 「うん。じゃあ、公園に6時くらい?」 「あ、もう少しかかるかも。30分くらい」 言って髪をかきあげる。 「うん」 素直に返事をして、肩を並べて歩く。 何も言わなくても、合う歩調。 何を言わなくても、安らげる空間。 大好きな、真紀の隣。 できるなら……、真紀もそう思っていてくれればいいのに…。 夕闇が夜に代わる空を見上げて、そう望んだ。
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