キミが

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「ほら、このご飯好きでしょ」 開けた猫缶を見せ、淵をさじで叩いて促す。 「ここまで歩いて来れるかな?」 けなげに前足だけで、下半身を引きずって移動出来るようになって来ていた。 「ニャーン」 外の空気に当たらせたり── 今日は河原の土手に来た。 「風が気持ちいいねー」 抱えた箱の中、子猫の毛並みがさわさわとなびく。 見下ろすと、小学生が野球の試合をしている。 「ほら、あの子たち野球してる」 子猫にも見えるように、抱えた箱を傾けた。 「みんな楽しそう」
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