試作品。Ⅲ

キミが

よくよく見ると、その子猫は腰の所で体が90度に曲がり、動きたくても動けない様子で……

……足腰から？不自然に脱力しているような。
足伸びきってるし。

確信した私は、急いで百合子を呼びに行きました。
絶対、どっかおかしくしてる！

ダンボール箱を探しタオルを敷き詰めて、準備はオーケー。

「骨折してるかもしれないからね」
ドキドキな私に百合子は声をかけ続ける。
「そっと、そっとね」

私は注意深く、優しく両手ですくい上げた。
鳴き声はあげるもののさしたる抵抗も無く、子猫はすっぽりと手に収まり、私はそうっとダンボールの中に横たえた。