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「ここでなら闘えそうですね」
シンラは自分が引き連れてきたウロヴォロス堕天と向かい合った。
――先刻
四人は同時に広場へと飛び出し、それぞれが自分の標的としたウロヴォロス堕天に向かって引き金を引き、広場の外へと走り、飛び出してきた。ウロヴォロス堕天は自分を攻撃したものを排除すべく四人の作戦通りに分かれた。
そして今に至る。
最初のエリアと似たようなエリアを見つけたシンラはそこで止まった。
「さぁて、いきますよ」
ウロヴォロス堕天の側面に回り、顔面を狙って弾丸を撃ち込む。選んだバレットはかの有名な内臓破壊弾と名づけられたバレットだ。ウロヴォロスに張り付いた球からサイズLのレーザーが弾け、ウロヴォロス堕天の頭を貫く。
シンラの今の装備は銃形態、スナイパー系統の銃で抜群の神属性を誇る[シヴァ 真]だ。刀身はこれも抜群の神属性を誇る[アメノムラクモ 真]である。攻撃に重きを置いた分、装甲はあまり強化できず、バックラー系統の[ソロネ 硬]を使っていた。
「遅い」
シンラがウロヴォロス堕天の足元に潜り込んで斬りつけた。
バスター系統の攻撃は威力と引き換えにスピードが遅い。二回斬り、すぐにステップで退く。
それを繰り返しながらOPを回復させ、溜まってくれば内臓破壊弾を撃つ。
それは完全にシンラがウロヴォロス堕天を翻弄していた。
だがついにウロヴォロス堕天も耐え切れずに激昂した。
「フッ」
短い気合と共に更に懐深く斬り込む。
「怒り時に足が弱くなるのは既に承知していますから」
また同じように退く、というのではなく、ステップで無謀にも正面に移動した。
「この距離からはどうだ?」
そう言って神機の機構を動かす。剣形態から銃形態へと切り替え、ウロヴォロス堕天の顔面に思いっきり叩き込んだ。
流石のウロヴォロス堕天も怒り状態とはいえ零距離射撃には耐え切れなかった。計四発の弾丸をくらい、大きく仰け反ったかと思うと、複眼が砕け散った。
「いけそうですね」
シンラがその成果を見て少し微笑み、再び斬りかかった。
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