三喰目

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「さて、どうしたものですかね…」  移動して来てから5分ほど。シンラはウロヴォロス堕天をあっさりと討伐していた。  愛銃の[シヴァ 真]を眺めながらやはりコイツの性能は恐ろしいものだななどと思いながらコアの回収を始めたときだった。  エリアの入り口、今から戻ろうとした道とは逆側の通路からアルダノーヴァが現れたのだ。  気付かれずに戻るのは不可能。なんとかウロヴォロス堕天の陰に隠れているものの、すぐに見つかってしまうだろう。 「仕掛けたところで…いいところ25%といったところでしょうね」  しかし、突破しないことには戻れない。 「…ハヤトさんから教わった例の新作バレットを試してみますか」  この任務の前にハヤトが使った内臓破壊弾の改良型、ホールド型内臓破壊弾。炸裂する弾が麻痺の属性を帯び、連射すればすぐにホールド状態にすることができる。 「念のために持ってきておいて正解でしたね」  本来なら弾丸をあまり持ってこないシンラも今回は多めに持ってきていた。たまたまとは言えそれが幸いとなった。 「ウロヴォロス堕天の体が消える前に、タイミングを…」  覚悟はできた。既にバレットの装填も済んでいる。 「…………………今だ!」 アルダノーヴァが後ろを向いた一瞬、シンラは飛び出して引き金を引いた。  ダァン!、ダァン!!、ダァン!!!、と立て続けに3発撃ち込む。アルダノーヴァが気付きこちらを向く間にOアンプル改を使い更に全弾発射。  すると結果はすぐに現れた。 「クロロロロロロロロロロ!?」  何?と言うような悲鳴をあげ、アルダノーヴァはホールド状態に陥った。 「すばらしい出来のバレットだ。ハヤトさん、感謝します」  そして追撃も与えずに最初のエリアへと逃げ帰った。
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