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とりあえず退いてくれないか、と心のこもった眼で眺めていると、何がどうなったのかお互いに前方へ走り出した。
そのまま勢いを止めずに上空へと舞い上がり、銀髪の女は乱舞しているかのようにしなやかな蹴りを連続して放つ。しかし物体はうねうねと気味の悪い動きで悉く避けている。
その状態が暫く続き、女に疲れが見え始めた瞬間、物体はほんの少しだけ動作を素早くして、女の腹部に鋭い打撃を与えた。
女は呻き声をあげ、頭から地面に向かって落下を始めた。
「危ない!」
俺は、気づいたら女の落下する地点へと走り出していた。
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