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そして土曜日。
「こんにちは!よろしくお願いします!」
「はい、よろしくね。私は清掃係長の『大便 器(おおたより うつわ)』。」
係長は、眼鏡を掛けている以外特に特徴もない、中肉中背の中年だ。
他の皆さんは老若男女合わせて10数名。
「ちょうどこの前1人辞めちゃってね。その人の担当区域を君にはやってもらうよ。」
「ほう……その区域とは……?」
「5~8階の男子トイレだ。」
「ふ~ん、男子トイレね……って、えっ!?だだ男子トイレ!!?」
私は驚いた。
普通こういうのっておばさんがやるんじゃないの!?
おばさんだったら掃除中に入ってきた男性のアレとかソレとか見ても気にせず事務的に作業出来るかもしれないけど、18歳の女の子にそれやらせるぅぅ!?
入ってきた男性の方も、清掃員が若かったら変に意識しちゃうじゃん!変な感じになっちゃうじゃん!!
「ちなみに前勤めてた『野間さん(47歳)』は、掃除中に入ってきた男性のアレとかソレとかコレとかが見えてしまうのが耐えられないと言って辞めていったよ。」
私も嫌だよ!!
「というわけで、早速5階からよろしく!」
そう言って、係長は私に掃除用具を渡すと、他の清掃員と共に脱兎の如く散った。
「ちょっと……」
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