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2つめの便器を磨いている途中で、遂にトイレのドアが開いた。
来たっ……!
初体験……「男子トイレで男と2人きり」!
入ってきたのは20歳そこそこの若い男性。今綺麗にしたばかりの便器に行こうとしていたので、咄嗟に言った。
「あの……そこは今やったばかりなので、向こう側のでお願いします。」
私はまだ手を付けていない6便器のある方を指さす。
その時、男性と目が合う。
「あっ!」
思わず小さな声をだす。
男性、ノーリアクションで私の隣の便器へ。
何か反応しろよ!そして何でわざわざ隣なの!向こうにまだ5つもあるだろう!!
気まずい思いは私だけかい!!
私は目を反らし、隣の男性のチョロチョロという排尿音を聞きながら(不可抗力です)、黙々と2番目を磨き続けた。
この間何を考えてればいいの!?
私にだけ気まずい時間が流れる。
一方男性は、小声で歌なんて歌ってる。何がそんなに楽しいんだよ。
「あぁ~川の流れのように~」
何で男の尿のせせらぎと「川の流れのように」を同時に聞かなきゃないんだよ!!川で立ちションすんなアホ!!
その後男性は手も洗わず出ていった。汚い!
とりあえず最初の難所は突破した。泣ける。
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