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その後はとりあえず何事も無く進んだ。
そしてラストの8階。
「もうすぐ終わる!」と意気込んでドアを開けた私だったが、中には残念ながら先客が……。
「あの……掃除します……。」
彼は小便器の前で何やらうろうろしていたが、すぐに私に気付いて尋ねる。
「清掃員の方ですね。」
「えぇ。」
いや、何か突っ込んでよ!清掃員が妙に若い事について!
「あのですね、ご覧の通り僕、今両腕を骨折してるんですよ……。」
確かに両腕を吊っている。
え?入院してれば?
「それでね、チャックが開けられないんですよ。開けて頂けますか?」
はぁぁぁぁあぁぁああぁぁぁ!?
「何で私がそんなこと!」
「お願いします!開けるだけですから!!開けてもらったら後は自分で出しますから!力を入れて何とか社会の窓から!!」
生々しいこと言うな!!
「頼みますよ!このバナナあげますから!!」
「バ、バナナァ!?」
「えぇ。上着のポケットに入ってる。」
「え?あぁ……。」
何だ。本来の意味でのバナナか……。私はてっきり(ピー)の事かと……。
っていうか何でポケットにバナナ丸々1本入れてるの!?
合 わ せ て 2 本 か い !
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