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「本当にそれでいいの?来るか、来ないかも分からないのに?」
「来るわ。そういう子なの……」
何かを思い出すように、目を細める。
「分かったわ。約束する。……じゃ、始めましょう」
そう言い、私はその場に座り込んだ。
すると、刀を持っていた巫女が赤い着物の少女に近付き、刀を手渡した。
赤い着物の少女が真っ白な鞘から刀を取り出し、その輝く刃を私の首筋へと当てた。そして、大きく振りかざした。
しゅん、と空を滑る音。
私の身体から、吹き上げる真っ赤な体液。
ベチャリ…と、鈍い音を立て、血の海に私の頭が落ちた。
「では、依り代による奉納を」
何も思わない、何も感じない。そんな冷たい声が、再び重なり合い、響き渡った……
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