一.

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「中島の隣の子ね、前に行ったよ。俺が変わってあげるって言ったらダッシュで」 『キャーッ!!!』 隣で会話している健人の声が、悲鳴のせいで思うように聞こえない。 「何でみんなこんなに興奮してんの?!」 私の後ろの女の子達は、みな立ち上がって悲鳴を上げている。 …いや、後ろだけでなく前もだ。 体育館中の目に着く女子生徒はみな、立ち上がっている。 男子も、興味を示して立っているものが数名いた。 「芸能人でも来たの?」 絶叫に負けじと大声で健人に訪ねると、健人は心底嫌な顔をした。 「ま、似たようなもんだ」
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