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草食動物達の部屋を出た後、彼の住む家(部屋?)に戻った。
「まぁ、そういう事だからよろしくね」
「…うん」
そして彼は思いついた様に、
「あぁ、そうだ。呼び方…考えないといけないね」
「呼び方?」
「流石に"貴方"とか"君"…だとね、それに同じ名前だから呼び方決めよう」
「………」
「君は 恭弥 でいいかい?」
―ドキン
…何これ。名前呼ばれただけなのに…胸の鼓動が早まる。
「…うん」
「さて、僕はどうするか…」
彼は………
「………恭」
「うん?」
「貴方の呼び方、…恭は?」
「…恭、か……うん。いいね」
そう言って彼は微笑んで、僕の頭を撫でた。
(心臓の音…うるさい)
彼が微笑む度、自分に触れる度、名前を呼ばれる度、胸の鼓動が早くなってうるさい。
(何なのコレ…)
彼は他のヤツと違う。今まで他人にこんな風になった事は一度だってない。
(いつもは、他人なんて煩わしいだけなのに…)
(もっと貴方の事が知りたくなる。もっと貴方と一緒に居たいと思うこの気持ちは……何?)
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