4日目

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目が覚めると、また目の前には天井が広がっていた。 (何か最近、こんな事ばかりだ…) 「…恭弥!……よかった。目が覚めたんだね」 と、恭が心配そうに覗き込んできた。 「………恭」 「ずっと目が覚めないから心配したよ」 安堵したように恭は、息を吐いた。 (心配かけてしまったんだ…) 「…ごめん、恭」 「何で君が謝るの?」 「だって…僕の不注意でこうなったんだし。心配、かけたから……」 「……ばかだね恭弥は。そういう時は、 ありがとう って言うんだよ」 「…あり、がとう」 そう言って恭は、微笑みながら僕の頭を撫でた。 「…もう、痛くないかい?」 「……うん」 「…それにしても、随分寝ていたみたいだけど、寝不足かい?」 「…え?」 「悩みがあるなら聞くよ?」 「………」 彼に言っていいのだろうか、この彼に対する訳のわからない気持ちを。もし彼に嫌われる様な事だったら―… だったら、 だったらどうだと言うのだろう。何でこんなに悩むんだ。そんなに彼は僕の中で大きな存在なのだろうか。 そうだ。 いつの間にか、彼は僕の中で 特別 な存在になっていた。四六時中考えてしまう程に、触れられ、呼ばれ、胸が高鳴ってしまう程に。 そう、僕は彼の事を― 「………好き」 「…え?」 「恭が、好きだ…」 僕は苦しくなる程、貴方が好きなんだ―…。
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