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「10年前の自分か……何だか懐かしいね(凄く幼いな…)」
「貴方が本当に10年後の僕?」
「君もくどいね、何度も言うけど、僕は10年後の君自身でそれに変わりはないよ」
確かに今の自分よりガタイが良いし、大人の男と言う雰囲気が漂っている。ただ気に食わないのは、
「……何で前髪そんなに短いのさ」
「あぁ、これね…この間髪切ろうとしたら思いっきりやってしまってね」
「そんなの自分じゃなくて草壁に頼めばいいじゃない」
「丁度頼んでた仕事で居なかったんだ」
「……ふん」
「まぁ、いいじゃない。髪なんてすぐ伸びるし、それに………」
僕に近づいて、顎を掬い上げられ―
「この方がよく見える」
「…なっ、ちょっ…離してよ!」
顔が近い。自分の顔だって分かっているのに何故かドキドキする。何なのコレ…。
「フフ、まだ子供だね」
そう言って、僕から離れた。
「あぁ、そう言えば。もう5分経ってるみたいだけど帰れる気配ないみたいだね」
「……え?」
「知らないのかい?10年バズーカは打たれてから5分間10年後の世界に行って帰れるんだ」
「……だけど、どうも故障みたいだね。こうして僕らが出会えているのがいい証拠だ」
「…それじゃあ」
「どうも暫くは10年前の世界に帰れそうもないだろうね」
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