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その夜、僕は夢をみた―…。
蓮の花が咲き乱れる池のほとりにポツンと独りたたずんでいて、暫くすると、一番聞きたくもないアイツの声が聞こえてきた。
「クフフ…まさかこの僕がこんな煩わしい事をしなくてはならないとは…」
「……何で貴方が居るの。と、言うかその耳障りな笑い方どうにかならないの?南国果実」
「クフッ!?……フフ、まぁいい。僕だって誰も好き好んでこんな所に来た訳ではありませんからね」
「……は?何を言って、」
「手っ取り早く済ませたいので、単刀直入に言います。貴方があちらの、10年前の世界に帰るには5日後になるそうですよ」
「5日後……」
「えぇ、何ともアルコバレーノの打った10年バズーカは、ジャンニーニなる武器職人に改造して貰ったようですが、厄介な事に従来の"10年後の世界に5分間滞在"する機能が"5日間滞在"と時間が延びてしまったようでしてね。それでその事を貴方に伝えろとアルコバレーノからのお達しでして、わざわざ僕がこうして来たのですよ」
「…ふぅん。じゃあ何もしなくても5日後には帰れるって事?」
「えぇ、正しくはあと4日後、ですがね」
「あっそう、ならいいよ」
「クフフ…では、10年後の世界でも楽しむ事ですね雲雀恭弥。それでは、‐Arrivederci‐」
そう言ったと同時に、六道む…南国果実の姿が消えた。
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