Episode Ⅰ 勇気の証

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 セルジオは一瞬怯んだが、すぐさま次の攻撃に移った。  その横からの剣戟をドミナントの剣が、受け止めた。  セルジオが叫ぶ。  「あんたのせいで、仲間が大勢死んだんだ!」  2機は鍔競り合いの末に、中心にて力比べに移った。  やはりパワーでは、ドミナントのが上だ。今度はドミナントが、じりじりと剣を押し込んで行く。  「あの時は被害を最小限に抑える為に仕方なかったんだ!わかってくれ!」  「分かるもんか!」  ティグレが一瞬力を抜いたかと思うと、片足を上げドミナントの腹部目掛けて蹴りを放った。  「ぐっ…あの時、撃たなければ俺達小隊もやられてた!」  「あなたは自分たちだけが助かれば、それでいいのですか!」  ティグレが剣を横に寝かせ、突き刺すように突進して来た。それをひらりと避け、袈裟落としのように剣を振り払う。  ティグレの剣が弾かれ、地面に落ちた。  「まだまだぁ!」  ティグレは丸腰のまま突進してくる。  「止めろ!セルジオ!決着はもうついたんだ!」  ロッシーニョは、剣をティグレのメインカメラ目掛けて突いた。しかし、その攻撃をティグレが、しゃがみ込みながらかわした。  「何!?」  ティグレがそのまま拳を腹部にあてがい、ドミナントにガトリングパンチを浴びせる。無数のパンチが、機体を凹ましていく。 「むぐぐぐっ!…やるな…しかし、俺もここで終わる訳にはいかないのだよ!」  ドミナントがティグレの腕を掴んだ。鋼鉄が軋む音がし、ティグレの腕が折れた。と同時に右手の剣を振り落とし、もう一方の腕を削ぎ落とした。  「……終わりだセルジオ…本当にすまなかった…」  セルジオはコクピット内で、ガックリと肩を落として呟いた。  「…やはり強いですね大尉は…。にわか仕込みの私の腕じゃ到底かなわない…。亡くなった戦友達の魂を、敬ってやって下さい…。それで私も気が済むでしょう。すいませんでした。軽はずみな言動をして……」  「毎年あの日には、慰霊碑にお参りに行ってるよ…。俺だって辛かったんだ…。お前は十分強い。もしこの機体で無かったら、負けてたのは俺かもしれん。…お前が当時M.A乗りだったら、いいパイロットになれたろうに…」  セルジオは、涙を流して言った。  「大尉……お心遣い有難うございます……」
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