Episode Ⅰ 勇気の証

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 準決勝…… 「さあ遂に準決勝までやって参りました!優勝杯と1000万ユーロは誰の手に~! 準決勝第1試合は流星のごとく現れたこの二人ロッシーニョ・レヴェナント~! そして対するは若干16才のグラディエイター……バッジォ・ロドリゲス~!この二人の戦いは…………」  ロッシーニョは、少し躊躇していた。なんせ相手は、若干16才の少年である。  バッジォの機体は、イタリアンカラーのティグレ。片腕は従来のアームではなく、鉄球が付いた特殊アーム。ルール上銃器以外なら何を使ってもいいのだ。反対の手には小型のシールドを装備している  バッジォはこのスタイルで、幾多のライバル達を粉砕して来たのだ。 「へっ…!相手は軍隊かぶれのおっさんか…俺の実力を試すには、持って来いの相手だな」  バッジォは、右手の人差し指で鼻をすすった。  そして、試合が開始される。  バッジォのティグレが走ると、同時にロッシーニョも機体を走らす。 「行くぞ小僧!」  ロッシーニョが、先に攻撃を仕掛けた。  その持っていた剣を、思い切り両腕で横に振り払った。  それをバッジォは、左手の盾で受け止めた。  攻撃を受け止めたティグレが、その衝撃で僅かに横にずれた。コロッセウムに砂埃が舞う。 「ちぃ~!なんてパワーだ…しかし…」  バッジォは右手の鉄球を相手目掛けて突き出した。  ドミナントは上半身を僅かにずらし、それを避けた。 「…!?おっさんただ者じゃないな」 「早々と終わりにしてやる!」  ドミナントが剣を引き、更にそれをティグレの鉄球腕目掛けて振り下ろす。 「ぬぅ~終わってたまるか!」  ティグレの鉄球が腕から発射され、その間に鎖が現れた。 「!?」 「とっておきさ…」  ティグレが腕を少し引くと、ドミナントのアッチャーロが鎖の上に振り落とされた。 「今だ!」  バッジォが鎖を波打たせる。その鎖は生き物のようにアッチャーロに絡みついた。 「もらったぜ…おっさん」  ティグレが強く腕を跳ね上げると、ドミナントの腕から剣を奪った。
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