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「その若さで、ここまでM.Aを扱えるとは…。君には、才能があるようだ。きっといいM.A乗りになるよ」
バッジォは、頭を地面にこすりつけながら言った。
「ありがとうございます!あなた様のような、立派な軍人になりたいと思います」
「だけど…一つだけ…」
ロッシーニョは、悲しげな表情を浮かべて言った。
「…命だけは大事にしろよ」
バッジォが、頭を上げて言った。
「はい!」
……準決勝を征したロッシーニョは、遂にこの時を迎えた。
決勝戦
勿論相手は、あの黒きマンナーロ…ロビエンコ・グロッサム。
待機所にてロッシーニョは、精神を統一していた。今大会最強のライバルにして、弟の仇。
そこへデル老人が、話しかける。
「遂に来たな…。あいつはただ者ではない。決して気を抜くな。気を抜いたら最後、奴に殺されるぞ」
ロッシーニョは、閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
「やるしかねぇ。必ず奴の首根っこへし折ってやる…」
ロッシーニョはゴーグルをはめると、デル老人に指で合図を送りハッチを閉じた。
コロッセウム闘技場内…
「マッスィマ~レ!さあ決勝戦!決勝はなっなっなんと因縁の対決!………」
ロッシーニョは、アナウンスを聞きながら決死の覚悟を決めた。
ロビエンコ……この時をどんだけ待った事か…。
ロビエンコも、ドミナントを目の前にして思った。
こないだ殺ったあいつの兄貴か…。こりゃ血が騒ぐぜ…ぐへへ。仇討ちだと…反対にこの俺が、あの世に送ってやる…ぐへへ
2機のM.Aの間には、異様なオーラが立ち込める。
開始の合図が鳴り、闘いが始まった。
「行くぞ!ロビエンコォーーー!」
真紅のドミナントが、走り出す。
「お前も弟のようになりたいかぁーーー!!」
コロッセウム中央で、2機のドミナントのアッチャーロが火花を散らす。
2機は鍔競り合いをしながら、機体を走らした。
回転する2機のドミナント。
「貴様ーーー何故弟を殺したぁーー!!」
「殺しに理由なんていらねー!特に俺にはなぁー!ハハハハハ」
「貴様は…人間じゃねぇーー!」
真紅のドミナントが漆黒のドミナントのアッチャーロを払い、その剣を真上に掲げた。
「うっ!? 何!?」
その様子を見て、観客席にいたデルが叫んだ。
「いかん!…奴は正気を失っている!」
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