Episode Ⅰ 勇気の証

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「その若さで、ここまでM.Aを扱えるとは…。君には、才能があるようだ。きっといいM.A乗りになるよ」  バッジォは、頭を地面にこすりつけながら言った。 「ありがとうございます!あなた様のような、立派な軍人になりたいと思います」 「だけど…一つだけ…」  ロッシーニョは、悲しげな表情を浮かべて言った。 「…命だけは大事にしろよ」  バッジォが、頭を上げて言った。 「はい!」  ……準決勝を征したロッシーニョは、遂にこの時を迎えた。  決勝戦  勿論相手は、あの黒きマンナーロ…ロビエンコ・グロッサム。  待機所にてロッシーニョは、精神を統一していた。今大会最強のライバルにして、弟の仇。  そこへデル老人が、話しかける。 「遂に来たな…。あいつはただ者ではない。決して気を抜くな。気を抜いたら最後、奴に殺されるぞ」  ロッシーニョは、閉じていた瞼をゆっくりと開いた。 「やるしかねぇ。必ず奴の首根っこへし折ってやる…」  ロッシーニョはゴーグルをはめると、デル老人に指で合図を送りハッチを閉じた。  コロッセウム闘技場内… 「マッスィマ~レ!さあ決勝戦!決勝はなっなっなんと因縁の対決!………」  ロッシーニョは、アナウンスを聞きながら決死の覚悟を決めた。  ロビエンコ……この時をどんだけ待った事か…。  ロビエンコも、ドミナントを目の前にして思った。  こないだ殺ったあいつの兄貴か…。こりゃ血が騒ぐぜ…ぐへへ。仇討ちだと…反対にこの俺が、あの世に送ってやる…ぐへへ  2機のM.Aの間には、異様なオーラが立ち込める。  開始の合図が鳴り、闘いが始まった。 「行くぞ!ロビエンコォーーー!」  真紅のドミナントが、走り出す。 「お前も弟のようになりたいかぁーーー!!」  コロッセウム中央で、2機のドミナントのアッチャーロが火花を散らす。  2機は鍔競り合いをしながら、機体を走らした。  回転する2機のドミナント。 「貴様ーーー何故弟を殺したぁーー!!」 「殺しに理由なんていらねー!特に俺にはなぁー!ハハハハハ」 「貴様は…人間じゃねぇーー!」  真紅のドミナントが漆黒のドミナントのアッチャーロを払い、その剣を真上に掲げた。 「うっ!? 何!?」  その様子を見て、観客席にいたデルが叫んだ。 「いかん!…奴は正気を失っている!」
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