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その刃を漆黒のドミナントの剣が、受け止める。
「ふ~…」
汗を拭うロビエンコ。
「へへへっ…血が騒ぐのさ!いや…このドミナントが血を欲しがるんだ…。この俺を真っ赤な血で染めろってなぁぁ!!」
漆黒のドミナントが、剣を押し上げる。その勢いでロッシーニョの機体は、後方に弾き飛ばされた。
「何!!奴の機体のがパワーが上か!」
「こっちの機体は更に俺が改良してパワーを上げてあるのさ…。貴様の機体など…屁でもないわっ!!」
「ならば…こっちは…」
ロッシーニョの機体が、走り出す。
「ハハハハハハ!無駄無駄無駄ぁ~!!」
漆黒の機体は、真紅の機体に合わせて円を描きながら疾走する。
「へっ!?」
ロビエンコの機体に、衝撃が走った。
今まで追っていた真紅のドミナントが、自分の右脇にいた。そして、その剣が奴の右腕に突き刺さっていたのだ。
「こっちは操作性をアップさしてあるんだぜぇい!」
剣が奴の右腕を粉砕する。
「きっ…貴様ぁ~~!!」
2機が、再び間合いを取る。
追い込まれたロビエンコは、脚内に隠し込んでいた内蔵ランチャーを開きミサイルを放った。
「あ~と!これはいけませんグロッサム選手反則です!」
「ちっ!何て奴だ」
場内アナウンスが響く中、ロッシーニョの機体は左右に走りミサイルを避けるが、その内の一発が右肩に被弾、爆発した。
「くっ!」
ロッシーニョの機体を衝撃が襲う。
残りのミサイルは、狙いを反れ観客席に飛び込んだ。
「この時点でグロッサム選手の……え!?」
アナウンサ-が、ロビエンコの負けを宣言しようとした時、観客席に爆発音が轟き白煙が立ち登った。
観客席は一瞬にして、パニックに陥っていた。
「貴様……観客までも………ただで済むと思うなよ」
「あはははは!どんな事をしても勝てばいいのだよ勝てばぁぁ」
「ロビエンコーー!!」
真紅の機体が爆煙が漂うコロッセオ内をひた走る。
ロビエンコは迫り来る真紅のドミナント目掛けて、再びランチャーを放とうとしていた。
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