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コロッセウム内に、場内アナウンスが響き渡る。
「べンヴェヌート! 皆さん、さあ始まりました。第7回M.Aコッルターレコングレッソ!第1試合はヴェネツィアのバンビーノことマルコ~レヴェナント~!対するはローマの黒きマンナーロ…ロビエンコ~グロッサム~!」
歓声が鳴り響くと共に、二機のM.Aがコロッセウムの中央に出てくる。
1機は漆黒の機体、ガタイがずんぐりむっくりのドミナント。メインカメラが2つ胴体の胸部分に付き、アームはショットパンチャー付きのトリプルフィンガー。
もう片方はエンジ色をしたガトリングパンチャー付きのファイブフィンガー、単眼カメラのイタリア製ティグレ。
試合開始の合図と共に、2機のM.Aが走りだした。
アッチャーロと呼ばれる鋼鉄製の剣を、双方共に装備している。
2機はアッチャーロを抜き、コロッセウムの中心で刃を合わし互いに火花を散らす。
双方力比べをしていたが、そのうちパワーで勝るドミナントが優勢になり、ティグレを剣で押し退けた。
「ちっ直接組合うのは分が悪い!」
ティグレが体勢を立て直し、走り出す。
「はははっ!お前ごときのティグレでは、このドミナントには勝てんぞ!バンビ」
ドミナントがティグレを追う。
コロッセウムの壁までくるとティグレが、急に反転して剣を構えた。
「袋のネズミかぁ!止めだ!」
ドミナントの剣が、突き刺さる。しかし突き刺さった場所はコロッセウムの壁だった。ティグレが、間一髪かわしたのだ。
「何!?」
「もらったのはこっちだ!」
ドミナントにティグレの剣が、反対に突き刺された。しかし、装甲の厚いドミナントに、致命傷を与える事は出来なかった。
「小僧…許さねぇ。このドミナントに傷を付けやがって…。しかし…これならどうだ!」
コロッセウムの観客席…
黒い服に身を包んだ1人の男が、試合を観戦していた。雰囲気がどこかしらマルコに似ている。
「マルコ…!?ヤバい!そいつから離れろ!」
男は、興奮気味に立ち上がって叫んだ。
ドミナントの三本の指が、機体に刺さったマルコの剣の刃を握りしめた。
「うっ!?剣が抜けない…」
「バンビ…惜しかったな」
ドミナントは自分の剣を手放し、その腕でティグレの喉元にショットパンチを打ち込んだ。
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