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「これじゃどちらが敵か味方かわからんな…」
隊長であるロッシーニョは、躊躇していた。
「隊長どうしますか?」
「待て!把握がつくまで待つんだ」
「ジッ…こちら第72歩兵小隊!早く援護を頼む…仲間が次々と…うわっ!」
「隊長!」
そこへゲリラのロケット弾が飛んで来て、ロッシーニョ隊の1機に激突した。
「隊長!ロベンジオ機が被弾しました!早く命令を!」
ロッシーニョは暫く考えたが、決心したように言い放った。
「……仕方ない…全軍砲撃用意!銃撃戦を行っている場所に砲撃しろ!」
まだ決心のつかない部下が言った。
「えっ!?でも味方が…」
ロッシーニョは少し訝しげな表情をした。
「どちらにしろ、このままでは両隊とも全滅しかねない!犠牲を最小限に抑える為だ!撃てー!」
彼は、やるしかなかったのだ。
「イエッサー」
荒れ果てた戦場の街に、ロッシーニョ隊の銃撃の音が響き渡った…。
控え室のロッシーニョ
(そうだ…あの頃はそれでも勲章をもらい優越感に浸っていたんだ…)
ロッシーニョは急に立ち上がり、デルに告げた。
「俺は必ず勝つさ…。あの時の俺とはおさらばだ…」
決勝戦当日…
場内アナウンスが響き渡る。
「さあ、またまたやって参りました。ローマ賞杯!このローマで一番のM.A乗りは誰だ!…………」
M.A待機所に居るロッシーニョに、デルが話しかける。ロッシーニョは、機体のハッチを開け待機していた。
「ロジー…奴が来てる」
デルが、漆黒のドミナントを見て言った。
ロッシーニョは、軽く奴に目配せをした。そして、奴の姿を確認すると、ゴーグルを下ろし戦闘準備に入った。
「おやっさん…行くぜ」
ロッシー二ョは、ハッチを閉め待機所を出て行く。
初戦の相手はフランス製の軍事用モデルポワソン。変わった形の機体で、足が三本ある。いざと言う時は、この前足のキックが武器になるのだ。アームはツーフィンガーアーム。ポワソン専用の細長い剣を装備している。厄介なのは、左肩に装備してある盾と三本の足だから可能になる跳躍力だ。
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