66人が本棚に入れています
本棚に追加
試合が開始された。
双方に駆動輪をフル回転させ、相手に接近。赤いドミナントの剣が、相手に振り下ろされる。しかし、奴は得意の盾でそれを受け止めた。
「くっ!なんて奴だ」
剣が、盾に食い込んでいく。ポワソンが急に後方の二本足で立ち上がり、手前の前足でドミナントを蹴飛ばした。
「やるな…」
ドミナントは後方へと飛ばされるが、倒れる間際なんとか両足で支えきった。ここで倒されるのは、致命的であるのだ。
すかさずポワソンが、走り込んでくる。剣を突き刺して来たが、ドミナントは辛うじてそれをかわした。
更にポワソンが、突きを繰り出してくる。ドミナントは剣でそれを払うと、横一文字に剣を払った。後方に退いたポワソンに、その攻撃はかわされた。
「こいつ!」
さらに追い討ちをかけるドミナント。突進して行くと、なんとポワソンはジャンプしてその剣を避けた。そのままポワソンがドミナントの後方を取る。
「しまった!」
瞬時に振り返るが、その時には既に遅し、奴の剣が胸部に突き刺さる。しかし、ドミナントの装甲は厚く、致命傷にはならなかった。
「そっちが軽快さなら、こっちにはパワーがあるさ!」
ロッシーニョは、機体をそのまま反転させた。
奴の剣が折れると同時に、自らの剣を奴の足下目掛けて払った。ポワソンは脚部を切断、機体が傾いた。
「今だ!」
ドミナントの剣が真上から振り落とされ、奴の腕が吹き飛んだ。
そのまま地面に倒れ込むのかと思いきや、奴は余りの二本の足で立ち上がった。
断末魔とばかりに、残るもう一本の腕でパンチを繰り出す。しかし、間合いがいつもと違うのか、その拳はドミナントには届かなかった。
ロッシーニョは更に振り降ろされた剣を真上に突き上げ、パンチを繰り出した腕をも斬り飛ばす。
そして、ドスンと言う音と共に、地面に腕が転がり落ちた。
そこでホイッスルが吹かれ、勝敗が決まった。
最初のコメントを投稿しよう!