強力な力

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STAGE 神社 地下通路 地下通路は電気が通っているらしくかなり明るく通路自体も歩きやすくなっていた 「天夏さん。迷路みたい場所は一体?」 「聞いた話だと、昔何かの基地にの通じる迷路と言えばいいかな?」 「迷路って」 彼女は不安を感じている。仕方ないかいきなり迷路と言われてはいそうですかと納得出来る人間はいないだろ…多分ね。それにここには追っ手を倒す為に武器も必要だしな 杏は分かれ道の度に近くの柱を見る。魅奈は不思議に思い聴いてみる事にした。 「先程から柱を気にしているようですが」 「道しるべを見ている。じゃないと迷路なんて抜け出せないしね」 確かに迷路をやみくも進んで出られる確率は少な過ぎる。矢印でも書いてあるのかな?覗いても平気だよね 22416959009153 「次こっちね」 杏は指をさした方に歩き出す。魅奈は勿論数字の意味がわからないまま大人しくついて行こうとする ドカァァァ 何かを粉砕した音が迷路に響く、聞いた二人は足を止め厳しい表情になる。 チッもう追いついて来た、やっぱりこの娘はマーキングされてるのは間違いなさそうだ。走らないと間に合いそうにない 「走…」 「やっぱり助かりそうにないですね。天夏さん逃げてください狙いは私ですから」 魅奈は杏の言葉を遮る もうこれ以上は駄目表情をみたらわかるよ、私あの日に決めたじゃない。もし化け物に追われて殺されそうになったら責めて巻き込まないって、だから人を避けて来た。天夏さんと居て安心は出来たよ。天夏さんが一緒にいたら死ぬ。私はこの場に残り追われていない天夏さんの逃げる時間を死んででも作る。 「何故諦める!諦めたら今ここで終わるなんて嫌じゃないのか!」 魅奈は悲しい顔になる 「仕方ありません。あの日…アレを見てからこうなる運命だったんですよ私わ。だから」 「自分が襲われて死ぬ理不尽が。そんな運命が」 「助かる訳ないじゃない!!」 迷路全体に響き声が反射する。 「私だって生きたくて生きたくてしょうがない、だけど何も持たない人間が化け物に勝てる訳がないよ、さっき言ったけど奴の狙いは私だから、私がここに残れば貴方は助かる確率は跳ね上がる。だから行って…死ぬ覚悟を決めたから」 魅奈の真っすぐ見る目には覚悟はあった。だけど体は震え涙を流している。杏はゆっくりと近付き頭を撫でた。
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