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エリオが第7臨海空港で謎の少女と紅の鎧と邂逅していた頃、シグナムはフーリエからの報告のあった列車事故の現場に居た。
その場にあったのは無残な姿へと成り果てたレールウェイの残骸であった。
「これは酷いな。被害者はいたのか?」
現場を眺めながらシグナムは隣に居る碧色の髪の女性―フーリエに尋ねた。
「事故があったレールウェイは試験運用中の自動運転式のものでしたから人は乗り合わせていませんでした。調査班の話ではかなり強大な魔力反応があったため魔導士の仕業だと別の部隊は考えているようです」
「そうか、別の部隊はということはお前の考えは違うんだな?」
「はい、こちらに来てください」
フリーエが向かったのは残骸のなかでかなり原型を保っているであろう車両だ。
フーリエに続き、シグナムも車両ないに入ると中は積荷が焦げた状態で床を埋め尽くしている。
しかし、シグナムたちが見ているのは床ではなく、天井だ。
そこには、大穴が開いていた、しかし・・・
「これは、外から力を加えたというよりも、内部からこじ開けたようだな」
「そうなんです。それにこのレールウェイは時空管理局の依頼で何か積荷を運んでいたんですが、その依頼主である遺失物管理課の機動3課が情報を開示しようとしていません」
遺失物管理課というのはロストロギアと呼ばれる過去に滅んだ超高度文明から流出する、特に発達した技術や魔法、それらを使われて作られた物を探索・調査・確保・管理を任務とする部署だ。
その任務上、選りすぐりの優秀な魔導師が所属するエリート部署である。
今現在は機動1課から機動5課まであり、二年前には試験運用として作られた機動6課もあった。
シグナム、エリオは二年前はその機動6課の隊員だった。
「3課というと、何かロストロギアの移動ということか?」
機動3課は遺失物管理課の探索・調査・確保・管理の管理をおもな仕事とする課で他の課で確保されたロストロギアは3課の手によって管理が行われる。
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