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「アギトの言うとおり、隊の皆が気を利かせてくれたからこそ、今日ここに来れたんだが。だから、急な任務が入ればそちらに向かわなければならないの・・・」
そこでシグナムの話は止まる。
言っているそばから隊でアギトと共にシグナムの補佐をしている隊員から通信が入ったのだ。
心の中でため息を吐きながら、通信回線を開く。
「私だ。フーリエ、何かあったのか?」
〔非番なのにすみません。3時間ほど前にエクナ山近くでレールウェイの事故が起きまして。今、その現場にいるんですが、少し妙なことがあって〕
「そうか、分かった。すぐに向かうから位置情報を送ってくれ」
〔はい〕
「仕事か?」
補佐官のフーリエからのデータを確認しているシグナムにヴォータが聞く。
「ああ、だが、事故の現場検証のみだ。すぐに終わる。だから、アギトはここに残れ」
「分かった、何かあったら連絡してくれ」
「主はやてが帰ってくる前に戻るさ」
アギトの顔を見ずにそう言い、シグナムは車を駐車してある車庫へと向かった。
こうして、シグナムの長い一日が始まった。
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