第4章:約束

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そう考えると私レアな体験したかも 「? ナミ、七海好きだよ? でもそれとはまた違うの」 「好きの意味が違うんだよ 多分奈美が言ってるのは家族として、とかの意味でしょ?」 奈美はそれに頷く つまり奈美は私の事likeであってloveでもあるんだね 推察するのさえ恥ずかしいよ なんで奈美の気持ちを私が推察してるのさ…… しかもその気持ちは私へのものだし 「違う意味の好きって何?」 「何?って聞かれると答えづらいかな 奈美が私に抱いてるのって言えば分かる?」 それと同時に私が奈美に抱いてるのでもあるんだけど そんなの奈美が分かるはずないしね 「ずっと一緒にいたいって思うのが恋? 七海を独り占めしたいって思うのが恋? 七海に触れたいって思うのが恋? 七海が頭から離れないのが恋? 七海が、七海が――」 私はそこで抱き付く 奈美、そんなに私の事思っててくれたんだ でも、私の気持ちも負けてないと思う 「全部恋だよ それに全部私も同じ 奈美とずっと一緒にいたい 奈美を独り占めしたいし奈美に触れたい 奈美が頭から離れない 私は奈美を愛してる」 奈美に会うまで恋をしたことのない私が恋を語るのもどうかと思ったりしてる 本当にこの気持ちが恋なのか不安がないわけじゃない けど、奈美は私に抱き付かれて胸が高鳴ってる 私も同様に、高鳴ってる これは恋なんだよね? 「愛してる―― うん、しっくりくる ナミも七海を愛してる」 奈美はそういって私に抱き付き返してくれる 元は絶対に結ばれなかった恋 いや、それ以前の問題か することのなかった恋 だってそうでしょ? 人間が雀に恋をする? 雀が人間に恋をする? だから元々はその感情すらもなかった筈の恋 それでも今私達はこうして愛し合ってる これはまるでままごとみたいな恋なのかもしれない 子供の恋かもしれない でも私は幸せ 奈美も幸せって思ってくれてるといいな そして、これからもこの幸せが続くと良いな、なんて思ったり
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