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正直僕もショックではあった。
けどそれ以上に父さんの一件で確信した、『世界は、まだ見ない世界はあるんだ。』
ほかの世界に行けるんだと。
可能性があるなら行ってみたいという気が大きくなっていった。
瓶を飲み干すとゴミ箱に捨てて部屋に行こうとした。
「おまえ、この島を出るのか?」
「もしそうだったらどうすんの?」
兄シルリは立ち上がって僕の前に立ち塞がって来た。
「キリイ、俺たちはこの島を出ちゃだめなんだよ」
説き伏せる言い方は昔っからそうだ。
「呪いでもかかってるとか?」
「母さんが悲しむからだ」
兄は肩に手を置くとさらに呟いた。
「……おまえは俺たちを……捨てないよな?」
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