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「白鷺、白鷺はいないのか?まったくまた無断欠席か……。」
朝のホームルームで教壇に立つ担任が困り顔でごちる。
そしてもう少ししたら二回目の、今度は諦めの入った仏頂面をするのだろう。
白鷺の無断欠席はまだ二回目くらいだけど、驚くなかれこのクラスには幽霊生徒がいるのだ。
何を隠そう、今学期にはいってまだ一度しか登校義務を果たしていない猛者だ。しかも、その一度も始業式。
実質一度も登校していないということになる。
しかもさらに驚くなかれ、一般で言う不良とかのあれじゃない。
もちろん、虐めで不登校とか言うのでもない。
『彼女』はいたって健全な優等生なのだ。
文武両道、才色兼備、品行方正フラレた男は星の数。
去年はクラス委員長と生徒会役員も勤め、そのどちらもそつなくこなした完璧超人。
ま、それなりにプライベートの彼女を知っている俺からしてみれば学校でのその姿こそ仮面だと言うことは周知の事実なのだがな。
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