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それは、ランチメニューが安いことで人気のファミレスを出た後の出来事だった。
「君…せ、セディア・ネル・レ…ゴル…くんでいいのかな?」
若い男から突然呼び止められては、不信感を抱くのは当たり前だろう。
「……僕に何の用ですか?」
「こうゆう者でね…」
男は内ポケットから、中央に黒い鳥の刺繍が施されている赤い手帳を取り出した。
そして、僕にだけ見せるよう一歩近づく。
この国で黒い鳥に赤い手帳といえば、国鳥魔術警護団体にあたる。
魔術や剣術を悪用する者が絶えないため彼らがこの国を警護している。
若い男は静かに言った。
「君の身柄を拘束する!」
「新手のナンパですか!」
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