秋の大会へ

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階段を一歩一歩登る…知らず知らずのうちに、僕はナオの手を握っていた。 ナオは何も言わず、僕の手を握り返してきた。 僕達はゆっくりと進む。…ヒタヒタ…異様に足音が響く。 ちょっとした風が窓ガラスを叩く音や僕達の足音が、やたらと耳にこびりついて離れない。 無事に三階に到着する。そして、一番奥の資料室を目指す。 そしてまたもや無事に到着…あれ?脅かし役は?まあいっか。気が抜けた考えが頭を支配する。 資料室の中に入り、自分達のペアの紙を取り、来た道を帰る。 脅かし役も居なければ怖くはない!という訳の解らない自信のせいだろう。 『ナオ、帰りは俺が前を歩くよ。』ナオは、ハイハイ…頑張ってと呆れたような顔を僕に向けた。
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