36人が本棚に入れています
本棚に追加
階段を一歩一歩登る…知らず知らずのうちに、僕はナオの手を握っていた。
ナオは何も言わず、僕の手を握り返してきた。
僕達はゆっくりと進む。…ヒタヒタ…異様に足音が響く。
ちょっとした風が窓ガラスを叩く音や僕達の足音が、やたらと耳にこびりついて離れない。
無事に三階に到着する。そして、一番奥の資料室を目指す。
そしてまたもや無事に到着…あれ?脅かし役は?まあいっか。気が抜けた考えが頭を支配する。
資料室の中に入り、自分達のペアの紙を取り、来た道を帰る。
脅かし役も居なければ怖くはない!という訳の解らない自信のせいだろう。
『ナオ、帰りは俺が前を歩くよ。』ナオは、ハイハイ…頑張ってと呆れたような顔を僕に向けた。
最初のコメントを投稿しよう!