立ち止まる前

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『ナオ!待ってくれよ~!』 眩し過ぎる夏の空の下、新しく真っ白に塗り変えられた壁の校舎。  その横を、僕より二つ年下のナオが、小憎たらしい笑顔を見せながら後ろ向きに歩く。 『もう…ヒデ先輩、早くしないと部活始まるよ。おいてくよ!』…言葉とは裏腹に、僕をしっかり待っていてくれる。 少しやんちゃな彼女。髪はショートカット、小麦粉色に焼けた肌が、彼女の性格を表していた。
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