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あの大軍。
その言葉通り、ギリシアには未曾有の危機が迫っていたのです。
海を挟んで隣にある超大国ペルシア、その大軍勢がギリシアを制さんと押し寄せてきていたのでした。
その数なんと20万。
その20万にたった300人で立ち向かおうとしている。兵士たちが困惑するのも無理ないことでした。
そんなざわめきをとは全く無関係であるかのように、レオニダスは神殿の階段を下りて歩き始める。
すると兵士たちは水を打ったかのように静まり、彼の進む先は海が割れるように開けました。
その後を300人の兵士が付き従う。その顔には何の悲壮感もなく、ましてや恐怖心など微塵もない。
その姿を見て、一人、また一人と彼らの後を付いていく者が現れ始めました。
総勢5200人。行く先はテルモピレー。
そこは彼らにとって死地でも地獄でもなく、一つの戦場に過ぎなかったのです。
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