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そこに運命の悪戯か、彼に幸運が転がり込んできます。一人の男が兵士にひっ捕らえられてきます。
「この者が間道を知っているとのことです」
「何、本当か!?」
捕らえられた男は恐慌状態で気が狂ったかのように山の斜面を指差して「羊、羊」と繰り返しています。たしかによく見てみると人の歩いている痕跡や羊の糞なんかが落ちている。
「・・・・・・どうやら羊飼いの間道のようです」
「斥候を出せ」
その間道は本当にテルモピレーの隘路の裏手に通じていたのでした。
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