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「っは…はぁ…おいお前、大丈夫か?」
「………っ…」
この俺、煌綺 槐(キラキ エンジュ)は今……子供(しかも虫の息と言ってもいいほど衰弱している)を抱いてこの深い山の中、走って帰路についている。
俺の家はこの深い山の更に奥にあるのだが……こういう時はあんな場所に住む自分に軽く後悔する…。
あ?じゃあなんでそんな不便なとこに住んでるかって?
…この辺り全域似たような場所なんだよ、人が住む場所もそれ以外が住む場所もな。
まぁ、多少は人間が住む場所の方が楽みたいだけどな。
おまけに治安もあまり良い方ではない。
更に加えてこの辺りに住んでる人間は異種族間での貿易、婚姻等も頻繁に行われているこの御時世に珍しく異形の者を極端に嫌い、医学も対して進歩していない。
他の場所じゃ異種族混合で住んでるなんて当たり前なのにな?
で、さっき言った事柄から俺は今、このガキを背負って家に向かってるって訳だ。
なんだよ、それだけじゃ解らないってか?
それじゃあ、次からはもっと詳しく教えてやるよ。
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