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しばらく桜に見とれていたがもう日が暮れて来た事に気づき帰ろうと踵を返したが…
「あ? なんだありゃ…?」
三人の男達が何かをしてるのが見えた。
妙に気になった槐はそっと近付き草陰に身を潜めると男達の様子を伺った。
「思わぬ所でお宝発見だな」
やたら体つきの良い筋肉質の男が上機嫌に言った。
「コイツなら高値で売れそうだしな」
それに続くようにひょろりとして無精髭を生やした厭らしく笑いながら言った。
「(珍獣でもみつけたか? それにしても品の無い奴らだな…)」
槐が草陰から覗きながら内心でそんな事を思っていると小さな小汚い男が口を開いた。
「こんな上玉は滅多にお目にかかれないよな~、まさに棚からぼた餅っすね!」
小さな男はそう言いながら檻らしき物に入っている物をかかってる布を捲り見る。
「(まぁ、関わらない方がいいな)」
そう思うやいなや槐は後ろに下がるが…
「っ、うわっ…と!」
槐は石に躓きバランスを崩し転びはしなかったが声をあげていた。
「あ゛ぁ~? そこにいるのは誰だ!」
筋肉質の男がそれに気づき槐の方へ歩いてくる。
「何? このお約束な展開…」
密かに落胆しつつも男達に姿を見せる槐。
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