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「…っと、いうわけだ」
『ペシッ』
槐が目の前にいる青髪で長髪の男に今までの事を話した後、その男に頭部を叩かれた。
「痛っ、何するんだよ氷雨(ヒサメ)!」
「何が『っと、いうわけだ』だ、とってくるのは山菜だけで十分だ」
叩かれた頭をさする槐と先程槐が連れて帰ってきたまだ眠っている子供を手当てしながら淡々と文句を言っていく『氷雨』と呼ばれた男。
「だってよ、ほっとけないだろ? こんな小さいガキをよ…」
ふてくされたように言う槐。
「全く…、ほらコレで大丈夫だ」
呆れたように言いながら子供の手当てをしていた道具一式を片付けていく氷雨。
「そうか、良かった…」
安心したように息を吐き出しながらそう言うと子供の頭を撫でた。
「…にしても、人間だとは思えない位綺麗な顔したガキだよな…」
そう言って子供の顔にかかった純白の髪をはらいながら呟いた。
「だから野盗共に捕まっていたんだろう…」
氷雨はそう抑揚なく言いながら子供の側に腰を下ろす。
「だからってこんな所にガキはおかしくないか? 彼奴等の口振りからここら辺で見つけた、みたいな感じだったぜ?」
「人間の集落だって離れた場所にあるしな…」
「だろ?」
槐の言葉に続くように氷雨も思案する。
「なら、やはりアレだろ…」
氷雨が何か思い立ったように呟いた。
「アレ?」
解らないといったように氷雨を見やる槐。
「ここら一帯の人間独特の今時珍しい風潮のせいだろうな」
「あ? ……っ! おい、まさかそんな事でか!?」
驚愕したように言い、子供を見やる。
「コイツは魔力を持っていない人間だぞ!?」
「コレだけ人間離れした容姿ならおかしくはないだろう?」
問いただす槐に冷静に答える氷雨。
「人間離れって…こんなの所謂アルビノって奴だろ!?」
「そんな事、ここらの人間が知っていると思うか?」
「っ…」
「こんな姿、彼奴等が知っているとすれば精々白兎と魔族の者位なものだろうな」
無感情に言ってのける氷雨に槐は苦虫を噛み潰したような顔をして黙り込んでしまった。
「…お前がそんな顔する事なかろうが」
「うるせぇ…」
ふてくされたような槐に氷雨は人知れずため息ついた。
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