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15年ほど前、
某国のとあるネオン街に一軒の飲み屋があった。
店内は洒落たジャズが響いている。
その店のカウンターで、一人の黒いスーツに身を包んだ鋭い瞳の若い男が、コップに入った氷をカランと転がしながらひっそり呟いた。
『やっぱりお前んとこの酒飲まなきゃこの街に来たっていう実感わかねぇよ』
『はっ…俺がこの店開いた当初はボロクソ言ってたじゃねーか』
もっともだ。男はそう言うと笑いながら一口酒を飲んだ。
『実は最近…あんまり上手くいってねーんだよ…一応親父から継いだボスの座にいるわけだが、部下とのコミュニケーションが上手くとれねぇっつーか…』
『ぁあ、部下っていってもお前にとっちゃぁ年上ばっかりか…キツイな』
スーツの男は何かの組織のボスらしい。そして、バーのカウンターの中で酒を作るもう一人の男とは友達…といったところだろうか。
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