始まりの宴

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入口からスタイル抜群のサングラスをかけた金髪の女が、こちらに向かって歩いてきている。 サングラスで瞳はこちらから見ることはできないが、その下にある鼻や唇は形もバランスも良く整っているため、おそらく美人だろう。 肩の少し上でふわふわと揺れる金髪はきちんと手入れされていて美しい。 『お隣りよろしくて?』 見とれていると彼女が突然問いかけてきたので少し狼狽しながら短く返事をした。 『…あたしの顔になんかついてます?』 『え?…いや、綺麗な人が自ら隣に来てくれるなんて今夜はツイてるな…って…ハハッ…』 男は我ながらキザだと思い心の中で吐き気をもよおしていた。
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