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「──っ…!?」
頼の姿が闇に溶けていくな、と思った瞬間、とんでもない悪臭が鼻孔を刺激した。
涙が出るんじゃないかと思った。
なんだ、これ。まるでガソリンとか廃棄物とかが混ざりに交ざって腐ったような臭い──。いくらゴミが多い路地裏でもこんな腐敗臭がするわけないし──。
鼻を摘んで臭いを断ち切ろうとしたが、それは出来なかった。
目の前に、臭いの権化が現れたからだ。
しかも、ちゃんと生きている。
ふざけるな、生き物から腐敗臭がしてたまるか。
ていうか──これ──
人間か?
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