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ー銀八先生編ー
何だか、着慣れない浴衣のせいで疲れた。
早く家に帰って、寝る事にする。
皆と別れて、再び人混みの中に足を向けた。
グイッ!!
優「わゎ!!」
誰かに引っ張られたように、私は通路の端に追いやられた。
?『塚本、お前も帰るのか?』
頭上から、聞きなれた声が聞こえ、顔を上げると…
優「銀八先生!!」
銀『よっ』
私の手を引っ張った犯人は、銀八先生だった。
そういえば、銀八先生も帰るって言ってたっけ。
銀『女の子が一人で歩いてたら、こわーい狼さんに食べられちゃうぞ?』
すみません。
先生がそう言うと、全然説得力が無い。
むしろ、先生の方が怖いよ。
優「大丈夫です。一人で帰れます。離して下さい」
腕をガッシリと掴まれ、動くに動けない。
銀『そう言う事、言っちゃう?折角、先生が送ってあげようと思ったのに』
優「遠慮します」
私の言葉に、先生は不貞腐れたような表情を浮かべた。
子供じゃ、あるまいし。
銀『こういう時は、先生に甘えなさい。行くぞ』
優「あ…いや…ちょ…」
無理やり手を繋がされ、歩き出した。
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