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『神帝を止めろとは言わん。だが、謎の勢力を野放しにするということはアリス王女を戦争に巻き込むということでもある。
それだけは避けねばならん。彼女もいずれは我が王家に連なる者になる。
すなわちは家族だ。そうだろう?シルバよ』
レイの言葉は何一つ間違っていなかった。
例え、この台詞がシルバを戦いに借りだすためのものだとしても。
この台詞には一切の間違いはなかった。
シルバはぐっと瞳をつぶってから。
「分かりました…。謎の勢力を討ち、アリスを必ずや奪い返してみせましょう」
『そう言ってくれると信じていたぞ、弟よ。
おそらく神帝は我ら魔王軍と、謎の勢力に向けて戦力を分散するはずだ。
そこにお前の剣神軍が加われば、奴らの戦力は更に分散される。
そこを狙って進軍していけ』
「了解しました」
『いい報告を期待しているぞ、シルバよ』
それだけ言い残し、レイは通信を切った。
そして、シルバはゆっくりと立ち上がった。
壁にかけられている一本の刀に手を伸ばして。
濃い紫の鞘に、黒い波が描かれている。
剣神シルバが持つだけで、それは至高の名刀と貸す。
それだけの威圧感を醸し出していた。
そして、シルバは刀を腰に差して部屋の入口へと歩き出した。
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